日本人だから〇〇(ガーデニング編)

とある国の、とある田舎で

「日本人の家は庭が無いから、

 あなたはやり方を知らなくてガーデニングをしないのね」

とよく言われます。

 

私は日本人代表ではありませんし、

私がここでガーデニングをやらないからと言って

日本人全員が庭を持っていないとか

ガーデニングをしていないとか思われるのは、本当に困ります。

そして、日本で

素晴らしい日本庭園をお持ちの方々、

広さに関わらず、ベニシアさん並みに美しい庭を作っていらっしゃる方々、

様々な野菜や果物を育てていらっしゃる方々などに

本当に申し訳なく思います。

 

日本の拙宅は、

確かにここのようにだだっ広い敷地はありませんが、

それでも猫の額の様な空間で、私ですら、

トマトやじゃがい、ナス、ニンジンなどを育てたこともありますし

ハーブ(ミント・レモンバームローズマリーなど)も育てていました。

 

都会と田舎では、たぶん大きな違いがあると思いますが、

とある田舎のここで、なぜ私がガーデニングをしないか。。。

それはここの ”ガーデニング” は、

私からすると、まさに ”開拓” だからです。

 

だいたい売られている土地は、整地されていないことが多いので

庭と呼ぶには、まず木を切り倒し、土地を平らにするところから始めないといけません。

この段階は、さすがに私が来る前に終わっていましたが、

これは ”開拓” の序章に過ぎません。

 

雨が降ればネチョネチョと粘り、乾燥するとカチカチになる土も手強い。

日本でおなじみの小さなスコップなどでは、とても歯が立ちません。

大きなシャベル、さらにツルハシ、トラクターが必要です。

 

うちにあるトラクターは、タイヤの直径が150cm位あり、

ガーッと土を押しのけるでかいバケツや

熊手のような歯で土を削るやつが取り付けられる物です。

はるか先のお隣さんたちも、ほぼ同じようなマシンを持っています。

これが ”開拓” でないなら、何と呼べば良いのでしょうか・・・

 

大きな石がゴロゴロありますが、石を除去するために穴を掘れば

そこからもっとたくさんの石が出てきます。

小さい石だと思ったら、まさに氷山の一角だったということもしばしば。。。

この大きい石をどけるのに大活躍するのも、あのトラクターです。

 

雑草はほおって置くと、あっという間にちょっとした藪のようになります。

そしてその藪の中に潜む敵、それが私は恐ろしい・・・

 棘が半端なく痛いつる草に、皮膚がかぶれる花粉を持つ花

 ものすごく大きいアリ(無害、だけど不気味)

 小さいのに、噛まれると非常に痛み、腫れ上がるアリ

 足を含めたサイズは手のひらほどもあるクモ(無害、だけど不気味#2)と

 とても小さいクモ(毒グモ)

 たまにサソリ(刺されても死なないけれど、気分が悪くなるらしい)

 2,30cmはあるトカゲ(無害、でも噛み付くことがあるらしい)

 1m以上のヘビ(毒ヘビ)

 

さらにリーチと呼ばれる黒いゴムみたいな蛭、

見た目もエグいですし、血を吸います。

私は日本で蛭を見たことがありませんでした。

ここではそこらへんの湿った草むらにいて

伸び縮みするらしく、靴下の網目などからスルッと中に入り

一旦血を吸い出すとなかなか離れない。(取る時はライターであぶります)

私は、其奴が靴下に忍び込んだ瞬間、

なんとも不快な冷たい感触があり、すぐに取ってもらって事なきを得ましたが、

血を吸われた部分は誰しも相当腫れ上がり、かなり長いこと痒いそうです。

痒いならまだしも、アレルギー反応のひどい人は

エピペンを常に携帯して ”ガーデニング” をしています。

こんな危険な ”ガーデニング” があるでしょうか。。。

うちも雑草を放置し過ぎなのがいけないんですが・・・

 

この困難と危険に打ち勝ち、土地を整備し、

さらに人工の土やら何やらをを入れてから、

いわゆる ”ガーデニング” で美しい花や木々、野菜や果物を育てているここの人々。

私はただただ敬服します。

 

とある国、とある田舎の ”ガーデニング” をする気力が

今の私にはまだありません。

 

 

過去にも関連記事を書いておりますので

よかったらそちらもお読みくださいませませ。

 

krista-zakki.hatenablog.com

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