Tシャツは曲者?
今週のお題「お気に入りのTシャツ」
どの小説かも、正確な文章も覚えていないのですが、
「僕は彼女の99%が嫌いで、好きなのは残り1%。
でもその1%にすごく価値を感じるから、彼女を愛している」
というような文章があったと記憶しています。
私のTシャツに対する感情はこの真逆で
99%好きなのに、
残り1%の部分がなんとも引っかかり・・・という感じ。
まさに
”ラブ・ヘイト” と言う複雑な感情を私に教えてくれたのが
お気に入りのTシャツでした。
その発端は、遡ること○年前の若かりし頃。
当時、見た途端に一目惚れ、即座に買ったTシャツがありました。
色はきれいなクリムゾンと言うか、スカーレットと言うか、レッド系
前面いっぱいにほどこされた薄紫色の古びた写真風プリントは
ヨーロッパ中世を彷彿とさせる、アーチ天井や回廊らしき風景(この部分は多分レーヨン)
袖は3分袖で、丈は短く
襟ぐりが広くあいたボートネックのTシャツでした。
ちょっと珍しいタイプだと思いませんか?
それを両親に着てみせると
母親
「・・・・・
あんたってそんなに肩幅広かったっけ?なんか真四角だよ」
父親
「・・・・・
お前ってそんなに腕が太かったっけ?男を3人ほど、ひねり倒せそうだな」
私
「・・・・・見るのはそこか・・」
なぜ、ひねり倒すのが「男3人」なのかは今もって謎ですが
両親の発言が私のボディイメージとなって定着して以来、
一目惚れTシャツだけでなく、
Tシャツ全般が、自意識過剰の私をつくりあげる ”くせもの” となりました。
一目惚れしたお気に入りのTシャツは、もちろんお蔵入り。。。
おしなべて
Tシャツってとても素晴らしい衣服だと思うんです。
カジュアルでシンプルな形
気軽に着られるのに、デザインも色も豊富
コットンのものならさらっと着心地が良く、乾きも早い。
古くなったらパジャマ代わりにもなる・・・などなど
基本、大好きな服、それがTシャツでした。
なのに
デサインや色が気に入って、99%「買おうかな」と思っても
例えば
丈が短いから(真四角シルエット?) とか
3分袖だから(腕を太く見せる?) とか
パフスリーブのパフ部分が小さすぎるから(腕のたくましさが露わ?)とか
襟ぐりがつまりすぎてるから(肩幅が広く見える?)とか
ボートネックだから、パステルカラーだから(太って見える?)・・・などなど、
この1%の駄目出しで、二の足を踏んでしまった私がいました。
ところが、
このとある国のとある田舎町に来てみると、
若かろうが、そうでなかろうが
細かろうが、そうでなかろうが
長身だろうが、そうでなかろうが
ガタイが良かろうが、そうでなかろうが
ピチピチサイズであろうが、ダボダボサイズであろうが
似合おうが似合わなかろうが(失礼!)
自分の好きな色やデザインのTシャツ
自分の好きなサイズのTシャツで
自由に闊歩している女性をよく見かけます。
クラシックコンサートや小洒落たレストランでも
ラメやレース付きのTシャツだけ、
もしくは
ジャケット・カーディガンを組み合わせて着ています。
「なんだ、自意識過剰の1%にこだわらず、
99%自分が気に入ったものを着れば良いのか」と
あらためて目からウロコの境地。
そこで
お蔵入りしていたお気に入り、一目惚れTシャツを?年ぶりに引っ張り出して
真四角に見えようが
男を3人ひねり倒せそうに見えようが
今では頻繁に着ています。