大事なのは 同居してることだけじゃない件

柔道の練習を終えると

柔道クラブに来ていた小学生の女の子が

迎えに来た父親に対して

「Oh daddy~~ 💓」と言って抱きついて行きました。

これぞ ダディにとっては至福の時、

とろけるような笑顔で娘を抱き上げました。

 

こう言う温かい家庭がある一方で

とある国にはたくさんの崩壊家庭 ( broken family ) があります。

離婚や別居は珍しくも何ともなく、

別居中で離婚前であっても 恋人のいる人もいて

この場合、子どもたちには

新しい兄弟や姉妹 (step brothers & sisters) が突然でき、

それが時には クラスメートだったり。。。😲

 

残念にも両親の折り合いが悪く、別れることになっても

父と母 (daddy, dad / mommy, mom) であることには変わらず

子どものことをよく考え、大切に思い、

夫婦ではなくなったけど、両親として協力し、

一緒に子どもを育てていこうと言うなら 

さほど問題はないように見受けられます。

政府からの金銭的サポート、チャイルドサポートもあります。

子どもたちも、彼らなりに両親の別居や離婚を受け入れることができて、

多くは週日を母親と生活し、

週末を父親の元で過ごすのが一般的です。

 

ところが

両親があまりにも憎しみあって、お互いを傷つけようと

子どもの存在すら忘れてしまったのか

子どもの目の前でいがみ合い、罵り合い、暴力も介在、

もしくは

親がアル中、薬中だったりすることが原因の別居・離婚の場合には

そうすんなりとは行かないようです。

 

嫌がらせのために子どもを相手に会わせないこともあれば

相手を傷つけるために、相手の大切な人、

つまり子どもを心身ともに傷つける行動を平気でする親失格 💢 もいます。

親がどんなに会いたがっても

子どもたちがその親に会いたくないと言うケースも多々あります。

日本では

私が呑気だったからか、無知だったからなのか

何かしら遠くの出来事のように感じていた家庭内暴力や虐待( DV / Abuse)が

とある国のとある田舎町では

少なからず、しかも身近で起こり、驚きと共にとても悲しく思います。

 

そんな時 読んだのが

“A little Spark” (by Barry Jonsberg)でした。

broken family と娘に対する両親の愛に関する本だったので

ここで紹介させていただきます。

  

ネタバレになりますが、あらすじは以下の通りです。

 

 両親が離婚したケイトリン

 彼女の親友エリースの両親も離婚(別居)の危機

 少年の心を失わない父親との2週間に1度の週末はいつもサプライズがいっぱい

 特別な週末になります、

 母親にはすでにサムと言うパートナーがいます。

 このサムの出世に伴い、母親はケイトリンを連れてロンドンに行きたいのですが

 ケイトリンは父親とともにオーストラリアのメルボルンに残りたい

 特に親友エリースがやはり両親の不和が原因で自殺未遂としたこともあり、

 彼女とも離れたくない

 それで母親 vs 父親とケイトリンの裁判が始まりました。

 

 ケイトリンを乗せた車で事故を起こし

 自分も娘も大怪我をしたので、その無責任さをつかれ

 母親が断然有利と思われていた裁判でしたが、

 ケイトリンの父親に対する愛情を込めた証言が見事で

 父親にも勝算が出てきます。

 ところがそれも束の間

 父親はなんと決定の日に、

 ケイトリンに理由も告げず、訴えをいきなり取り下げてしまい

 ケイトリンをひどく怒らせます。

 

 ローティーンの未成年ケイトリンは、

 否応なく母親とともに ロンドンに行くことになります。

 その決定後、ケイトリンは父親の電話やメールに一切応じませんが

 ロンドンへ出発する日に空港に見送りに来た父親とハグし

 自分がいかに父親を愛していたか、父親がいかに自分を愛していたかを実感します。

 この時、母親と父親がお互い 心を込めてハグをするのですが

 これには大きな理由があったことが後でわかります。

 

 母親が期待した通り、

 ケイトリンは良い機会、良い教育に触れ

 ロンドンを楽しみながら父親とも連絡を取るようになり、

 フランス行きも経験するなどして

 徐々にイギリス暮らしに慣れていきます。

 

ちなみに余談ですが

ケイトリンがイギリスのクラスメートに

オーストラリアにいかに恐ろしい動物がいるかを大袈裟に語り

ロンドン子を怖がらせる場面には笑ってしまいます。

 

 そんなある日、

 父親が亡くなったニュースを、母親から突然知らされます。

 実は

 交通事故後にがんが見つかり

 そのために父親は訴えを退け、

 母親とケイトリンが暮らせるように計らったわけです。

 

 母親も父親に頼まれ、

 元夫の病気については一切娘に話しませんでした。

 元夫が

 父親として最後の時を娘と過ごしたい気持ちを押し殺し

 自分が弱り、死んでいく姿を愛する娘に見せたくない、

 娘に辛い思いをさせたくないと考えていることが分かったからです。

 娘に一時的に憎まれても、娘を思う父親の愛、

 その気持ちを理解し、尊重し

 やはり娘のことを考える母親の愛ゆえの行動でした。

 

 そしてこの父親の娘への大きな愛は

 娘のことを考え、母親に大きな譲歩をしただけではなかったんです!

 父親は自分が死んだ後に

 秘密の誕生日プレゼントを娘に用意していました。

 ケイトリンと会うたびに、ケイトリンを楽しませ

 ミラクルやサプライズを用意していた父親

 その父としての最後の、そして渾身のプレゼントでした。

 

本当に親の愛、子どもの親への愛を感じられる感動的な本です。

英語も難しくないので、機会があったら読んでみてくださいませませ。