ゾウもハトもいつも灰色とは限らない!

今週のお題が「本棚の中身」と言うことなので

本にちなんで

お勧め児童書についてまたまた書きたいと思います。

 タイトルは The Elephant 

 作者は Peter Carnavas 氏です。

            

なんとこの本のテーマは、

児童書とは思えないほど重いものです。

妻をなくした夫

つまり主人公 Olive の父親の悲哀とうつ

そして

その父親の大きな悲しみが、娘と彼女のおじいちゃん

つまり義父によって癒やされ、

残された家族との絆を取り戻すというものです。

 

作者は、この深い悲しみとうつを

灰色の動物を使って

子ども達にもわかりやすいように

上手く表現しています。

 

この動物は Olive の想像なので

Olive にしか見えません。

 

大きな悲しみを抱えている父親のうつは

重苦しい灰色の巨大なゾウ

いつも父親の後を

のっそりとついて行きます。

Olive の母、つまり娘を亡くしたおじいちゃんの悲しみは

灰色の陸ガメ。

 

おじいちゃんの陸ガメは

普段は見えません。

とても大事に思い

とても大事に守っていたはずの Olive が

木から落ちて脳震盪を起こした時

目覚めた Olive は,

おじいちゃんにくっついている

灰色の陸ガメを初めて見ます。

Olive の怪我が

自分の娘の死を思い出させたからでしょうか。。。

 

このおじいちゃんは、

悲しみにくれて

毎日をなんとか生きながらえているような父親に代わって

様々な方法で Olive に愛情を注ぎ、

力になり、支えます。

 

あらすじからそれてしまうのですが

ちなみに

下に載せた拙文で書いたように

私はとてもうるさい読者で

たいてい本と会話しながら読んでいきます。

 

krista-zakki.hatenablog.com

 

私はこの父親にちょっとだけ怒りがわきました。

 妻を亡くした深く大きな悲しみ

 それは察するに余りあるよ、お父さん

 言葉にできないくらいの大きな喪失感、

 どんなにか辛いでしょう、

 だからこそ、うつになってしまったわけだよね。。わかるよ・・・

 それでもお父さん!

 私はやっぱり

 心を鬼にして言わずにはいられない!!

 だって

 あなたの目の前には

 母親を亡くした小さい娘がいるわけよね

 母親を失い、

 父親も失いかけていると感じている娘、

 今ここに生きているこの娘、

 忘れ形見のこの娘を

 なぜしっかと見てあげないの?

 なぜきつく抱きしめてあげないの?

 娘のためにしっかりして、お父さん!

 難しいってのはよくわかるよ、

 でも

 ここで踏ん張らずしていつ踏ん張るのさ、お父さんっ!・・・と。。。

 

でも

外国小説には

悲しみに飲み込まれてしまった似たようなパターンが

多く出てくる気もしました。

 Ordinary People (by Judith Guest)

   The Secret Garden (by Frances H. Burnett ) など。。。

 

      ・・・・・・・・・・

 

脱線はこのくらいにして

話をあらすじに戻しますね。

 

Olive は

私の心配なんかいらないくらい強い子でした。

健気にもその大きな🐘

おじいちゃんの力を借りて

追い払おうとするのですが

その過程でおじいちゃんの悲しみも

癒やすことになります。

 

そして Olive を支えたのは

おじいちゃんだけでなく

友達の Arthur とまた別の動物、

色々と出てくる古くて愛しいもの。。。

 

そして

ゾウはいつも灰色とは限らない!と言うこと・・・

 

とても感動的な本です。

簡単な英語で書かれていますので

ハンカチを用意して

ぜひ読んでみてください。

 

他にもやさしい洋書を紹介していますので

良かったら、そちらも読んでみてくださいませ。

 

 

krista-zakki.hatenablog.com

 

krista-zakki.hatenablog.com