眩しいくらいにまっすぐ

とある国のとある田舎町の会合で、

父親についてきた、13,14歳くらいの少女に会いました。

父親を待っている間、携帯でゲームをしているのですが、

ゲームにも飽きたのか所在無げ・・・

「退屈してるよ、あの子、

ティーンエイジャーかあ、ちょっと苦手かも。

なんせ英語だし、あっちも話しかけられたくないかもしれないし」

などとゴチャゴチャ思いながら、恐る恐る話しかけてみると

恥ずかしそうな笑顔が素敵な、とても素直な子でした。

 

両親の愛情をいっぱいに受け、お兄さんにも可愛がられ

きっとまだ挫折とか失恋などの苦しみも知らず

いかにもすくすくと伸びやか、

健康的に育ったのだろう事がすぐに伺えました。

ほんとに眩しいくらいにまっすぐ。

 

冗談で「私は実は人の心が読めるのよ」と言うと、

その少女は胸を押さえて

「えっほんと?やだあ」と私に背を向けました。

まるで私が透視能力でもあると思ったみたいに。

ほんとに素直で可愛らしい。

 

そこで

「ごめんね冗談よ、でも、もし人が人の心を読めたらどうだろうね」と言うと

その子はちょっと考えてから「困るよ、もしそうなったら」と言いました。

「だって、もし私が大切な人にサプライズでパーティーを計画してても、

それが知られちゃうってことでしょ。そしたら喜ばせられないもの」

 

・・・・・・

たぶん、隠してる秘密が知られてしまうとか、

ついた嘘がバレて親に怒られてしまうとか、

そういう答えを期待した私でしたが、それを裏切る予想外の答え。

私は不意をつかれたと同時に、ちょっと感動しました。

隠し事というのは、たいてい良いことではないから隠すわけですが

この子は、人を喜ばすために隠し事をしたいわけだからです。

 

なんだか自分がすっかり「汚れちまった」大人だと感じたと同時に

とても清々しい気持ちになりました。

ほんとに眩しいくらいにまっすぐ・・・と。