国際語のネイティブスピーカーにはわからない

 このとある田舎町にも

 100均みたいなお店があります。

   (100均よりちと高め、最低で3ドルくらいかな)

 私たちもよく行きます。

 

 クリスマスやイースターなどのビッグイベントの前だと

 ここでパーティー用品、

 例えば 紙コップや紙皿

 テーブルのあちこちに飾る平たいキャンドル

 ナイロンバッグやプラスチックのカトラリーなどを買う人で

 店内は人がいっぱい

 キャッシャーに並ぶ人の列も長い。

 

 ある日

 支払いをしようとキャッシャーの所にいると

 移民と思われる褐色肌の男性がひょこっと反対側から来て

 私たちの前に。

 

 つれあいもキャッシャーも

 「みんなが並んでるんだから、最後尾について」と何度も言ったのですが

 多分英語がわからないんだと思う、

 そのまま当惑した顔で その場に立ちつくしています。

 キャッシャーは私たちの勘定を済ませると

 黙って彼の勘定を・・・

 

 つれあいも後ろの人も

 「disrespectful(無礼だよ)」とヒソヒソ…

 

 確かに並ばないで割り込んだ形だから

 無礼と言われちゃ無礼、おっしゃる通り!・・・なんですが

 慣れない国で 

 しかも

 英語がわからない故の挙動かもしれないと

 無礼って責めたてる前に

 もう少し何かしら考慮してあげたり

 丁寧に説明してあげたりしてもいいんじゃないか・・・と

 ちょっと思いました。 

 

 一度クリーナーの求人案内に

 「英語ができない人 お断り」と出て、物議を醸したことがあります。

 クリーナーにどこまで英語が必要なのかってのと

 英語ができないと言う理由で、

 始めから機会を与えないのは 差別にあたるからです。

 

 法的には英語ができる、できないで差別してはいけないとなっていても

 その一方で

 「この英語圏に来た以上、英語ができて当たり前だろう!」

 「英語ができないんだから、不当に扱われて当然だろう!」

 って言う圧力はかなりあります。

 

 日本ではどうなんだと考えてみると

 移住して来た外国人に対して

 大戦前後の異常時は例外として

 日本に来た以上、日本語を話せて当たり前だろう

 なんて言ってないと思うんですが、どうなんでしょうかね?

 

 サービスセンターなどに電話をかけた時

 オペレーターのアクセントが強かったりすると

 つれあいは毎度必ず「君はどこ出身?」と訊きます。

 単なる興味からの質問だと言っていますが、

 私がオペレーターだったら 気圧されるか 

 その場でくじかれちゃうと思いますね。

 暗に

 「あんたの英語はわかりにくいんだよ」

 「アクセントでネイティブじゃないってすぐわかるんだよ」

 って責められてる気がするからです。

 

 つれあいは とある田舎人にしては珍しく

 数ヶ国もの外国に何度か行ったことがあり

 それぞれの国のアクセントにもある程度慣れているので

 本当に悪気はないんだろうと思いますが

 サービスや問い合わせ内容に関係ないのに

 なんでそう言うことを訊くのかなあ

 そう言うことを言う必要があるのかなあと 毎度思います。

 

 そう言えば

 一度、某国際便のフライトアテンダント

 「国際線を使うなら、英語ができて当然でしょっ」

 とイライラしながら言っているのを聞いてしまったんですが、

 正直驚きました。

 

 国際語となった英語を母国語に持っている人って

 苦労して外国語を身につける必要もないから

 ノンネイティブの気持ちや努力

 フラストレーションなどがわからないんですよね、多分。

 

 国際公用語が英語じゃなくて人工語、

 例えばエスペラントとかになったら

 誰もが勉強しないといけないから公平なのに・・・って時折 癪に思います。